「遠慮せずに食べていいのよ。
あ、ひとりじゃ食べにくいよね?
じゃあ、一緒に食べよっか」


そう言って無邪気に笑ったかと思ったら、シュークリームを取り出して、パクッと躊躇なく頬張る薫さん。


「やっぱりおいしー。優月ちゃんも食べて」


「あ、はい」


思わず見とれていた私は、正面を向いてシュークリームを一口かじった。


サクッとした珍しい食感。


中から控えめな甘さの、とろっとしたクリームが出てくる。


「わ、おいしい。こんなの初めて食べました」


「でしょ~?外回りのついでに並んで買って来ちゃった。

社長へのお土産だったんだけど、このことは秘密ね」


そう言って、ウィンクする薫さん。


いちいち綺麗で、色っぽくて…。


タイトスカートから見える、細くて白い長い脚。


センスのいいスーツ。


何もかもが素敵で、大人で、かなわない…。


痛いほど思わされる。