「アンタさ。瀬名君と付き合ってるんなら、神崎君のまわりをウロウロしないでくれない?」


「神崎君と一緒に帰ったりするのとか、やめてよね」


「瀬名君と付き合えるなら充分でしょう?それともいい男を二人も引き連れたいわけ?」


「マジで腹立つんだけどー。今まで黙ってたけど、一昨日のアンタ見てもうガマンの限界」


二人にまくしたてられて、私はオロオロとうろたえていた。


「あのっ。私、瀬名君とは付き合ってないの」


とにかくこちらの話も聞いて欲しくて、必死に言葉を挟んだ。


「はぁ?

腕組んで歩いてたじゃない。

あれでも友達だって言い張るんだ。

ホント、マジで許せないっ」


ドンッと肩を突き飛ばされて、私は後ろへ後退した。


「神崎君と瀬名君のこと好きな子、マジで大勢いるんだからっ。

なんでアンタみたいなダサイのが、あの二人独占してんのよ!」


二人は本気で怒っていた。


そうだね。


もっともな意見かもしれない。


私なんかが、あの二人を独占していいはずないんだ…。


押された肩を右手で押さえる。


痛い…。


泣いてしまいそう。




その時だった。