蒼甫君の左手が、私の太ももに触れる。


初めての感触にビックリして、身体が跳ね上がった。


その手は次第に上へと移動して、熱くなった場所へとそっと触れた。


無意識のうちに出てしまう高い声。


その声に手の動きを止めた蒼甫君が、私の顔を覗き込んだ。


「……優月。すごいことになってる…」


「え…?」


「俺に感じてくれてんだ。嬉しいっ」


笑顔で私を抱きしめる蒼甫君。


うぅ~。


すごく恥ずかしい…。


「なぁ、優月。今日他校の生徒に絡まれて怖かった?」


「ん?うん。でも、何もされてないから大丈夫だよ…」


「ごめんな」


「ううん」


「もう俺、仕事辞めようかな」


「蒼甫君?」


私はびっくりして蒼甫君を見上げた。