「ねぇ。別れなよー」


「ホント。マジ消えて」


ど、どうしてここまで言われないといけないの?


私があなた達に何をしたって言うの?


「ねー。なんとか言ってみなよー」


「ビビってんじゃね?」


「おとなしい子ってあたし嫌い。ついいじめたくなるわ」


やだ。もう。


ここから走り去りたい。


なのに足が固まって、動けない。


その時だった。


右手を急に取られ、誰かに引っ張られた。


その人は私を引いて走り出す。


私もつられて走る。


女の子達の唖然とした顔を一瞬だけ見て、私は前を向いた。


私の手を引く、この白く美しい腕は…。