蒼甫君は、私をあんまり人前にさらしたくないと言って、それ以来1組には来なくなってしまった。


せっかく同じ学校にいるのに。


ただでさえクラスの違う私達は、一緒にお昼を食べる事も、一緒に帰ることも出来なくなってしまった。


唯一繋がっているのは、メールだけ。


休憩時間のたびに送られて来るメールだけが、私のささやかな楽しみであり、支えだった。


今日もピカピカと携帯が光る。


『優月、今日はバイト?』


『うん、バイト』


『俺も事務所に呼ばれてるんだ。一緒には行けないけど事務所で会おう』


『わかった。嬉しい』


『俺も』


今日は事務所で会える。


それだけで嬉しい。