次の週の月曜日。


やっぱり予想通りの事が起きていた。


「神崎君がドラマ出てたの見た?」


「見たー。神崎君、芸能界に入ったの?」


教室に辿り着くまでに、何回蒼甫君の名前を聞いただろう。


「おはよう。静華ちゃん」


「おはよ。朝から大変よ。色んな人に蒼甫の事聞かれたわ」


「なんか、かなり噂になってるみたいだね」


「そんなに騒ぐようなことかしら?」


静華ちゃんはそうでも、みんなはしょうがないんじゃないかな…。


「おい、竹内」


誰かと思って見てみれば、桐谷君だ。


相変わらず、長い髪がうっとうしい。


「竹内の彼氏、テレビに出てたらしいじゃん。俺は観てないけどー」


だから、何だって言うんだろ?


「お前、これから大変になるぞ」


「えっ?」


「別れた方が身のためかもな」


何言ってるんだろう。


別れるだなんて。