オープンハートに小さなピンクの石がついたネックレスが入っていた。


「可愛い」


「この石、ローズクォーツって言うんだって。

愛と美、癒しと優しさだったかな?

そういう意味があるらしいんだ。

優月にピッタリかなと思って」


「蒼甫君が選んでくれたの?」


「うん。

店に入るのちょっと恥ずかしかったんだけど、彼女へのプレゼントだって言ったら、やたら店員さんが熱心に教えてくれてさ」


なんとなくその情景が思い浮かぶな。


「つけていい?」


「もちろん」


「つけてあげる。向こうむいて」


「うん」


蒼甫君に背中を向けると、すぐに蒼甫君が私に腕を回した。


「あ、優月。ちょっと髪上げて。引っ掛かりそう」


「これでいい?」


私は髪を手でまとめて上げた。


「よし。これでオッケー、と。こっち向いて」


「どうかな?」


「うん。似合う。可愛いよ」


優しく笑う蒼甫君。


「本当?ありがとう」


「ネックレスならいつでもつけられるからいいよな。これ、お守りにもなるらしいから、良かったらつけて」


「ありがとう、蒼甫君。本当に嬉しい」


男の人にプレゼントをもらうなんて初めて。