「あ、そうだ。優月。渡したい物があったんだ」


「ん?」


「これ」


そう言って蒼甫君が差し出すのは、リボンのついた小さな箱。


「優月、3月が誕生日だっただろ?

仕事で渡しそびれてたから。

遅くなったけど。

17歳の誕生日おめでと」


「わぁーありがとう」


嬉しい。


すごく嬉しい。


「開けてみて。気に入ってくれるといいけど」


赤いリボンを外し、紺色の包装紙を綺麗に開いていく。


中の箱をそっと開けるとそこには。