「お前らって、わりと有名だよな」


「わりとって何よ」


「だって、目立ってんもん」


「そうかしら」


「だって、甲斐は生徒会だったろ?

しかも、同じく生徒会だった渋谷と付き合ってるし」


確かに、生徒会の人は全校集会の時に体育館のステージに上がるから、顔はよく知られているかもしれない。


「で、お前も」


「えっ?私?」


桐谷君が私の顔を見て、ニヤリと笑う。


「神崎の女」


無意識に頬がピクッと上がる。


「俺、2年ん時6組だったんだけどさ。

お前と神崎が付き合い始めたって聞いて、泣いてる女を結構見たぞ」


「へぇ。アイツ、やっぱりモテんのねー」


なんて言えばいいんだか。


「俺、アイツ嫌い」


「はっ?」


「なんかお調子モンっぽいじゃん」


蒼甫君は別にお調子者じゃないと思うけどな。


「そうねぇ。確かにお調子者かもね」


ちょっとちょっと!静華ちゃんまで。


「まぁ、あれだけモテたら調子にも乗るかぁ」


だから、調子になんて乗ってないってば!


何?この人。


失礼な人だな。


「まぁーそういうことなんでー。

仲良くしてー」


どういうことなんだか。


絶対仲良くなんかしない。