そして迎えた始業式当日。


ついに始まる三年生。


いよいよ、受験生と呼ばれる学年になる。


一体私は、何組になってるんだろう?


とりあえず順番に見ていこうと、私は1組の教室のドアに貼ってある名簿を覗き込んだ。


「えっと…」


あ、らま。


いきなりあった。


私は1組かぁ。


当然だけど、蒼甫君の名前も瀬名君の名前も、さっちゃんの名前もない。


わかっていたけど、こうして名簿を見るとやっぱりダメージが大きいな。


「優月ちゃん」


急に誰かに名前を呼ばれて、ビクッとして振り返った。


「な~に沈んだ顔してんのよっ」


長い髪を揺らして微笑んでいるのは。


「静華ちゃんっ」


「一緒のクラスだね」


「えっ?ほんと?」


「ほんとだよー。ほら、見てここ」


静華ちゃんの指の先には『甲斐静華』の文字。


「よかったー。静華ちゃんと一緒で」


「私も嬉しいよ」


静華ちゃんは綺麗に笑った。