私達はバスを降りると、海岸沿いを歩き、おじさんの家の近くの海へ行った。


今日は一段と、空と海と砂浜のコントラストが綺麗だ。


早速、砂浜に降りる私達。


「水のところまで競争っ。よーい、ドンッ」


蒼甫君がそう言うと、急に走り出す二人。


「えぇっ?ちょっと待ってよっ」


私も慌てて走り出す。


でも二人はあまりに足が速すぎて、全然追い付きそうにない。


「もーずるいっ」


ケラケラ笑う二人。


二人揃うと相変わらずだ。


「優月は足がおせーんだよ」


「二人が速過ぎるんだよ。あっ!」


「えっ?何?うわっ」


「冷たっ」


水際まで来ていたせいで、二人の足が水に浸かってしまった。


「やべー。靴とズボンが濡れた」


「俺も」


あーあ。二人ともずぶ濡れだ。


「ま、いっか。靴脱いじゃえ」


そう言うと、蒼甫君は靴と靴下を脱いで砂浜に置いた。


ズボンを膝の上まで折り曲げる。


「これでよし」


そう言って、海へと入って行く蒼甫君。


「蒼甫君。冷たくないの?」


「平気ー。俺、慣れっこだから」


そうか。海と言えば、蒼甫君だった。


バシャバシャ海の中を歩く蒼甫君を眺めていたら、いつの間にか瀬名君も靴を脱いで海に入っていた。


「ひゃ~。水が冷てー」


「瀬名君、大丈夫?」


「うん」


私は水際から少し離れて、砂浜に座った。