最後のホームルームが終わった後、私達7人は教室に残っていた。


「春休み、どうすんの?」


そう言い出したのは渋谷君で。


「俺とさっちゃんは、春季講習に行くよ」


「あたしはまたサーフィンかなー。

瀬名君は仕事が忙しいんでしょう?」


「うん。そうだな」


「蒼甫も海行くんでしょ?」


「俺?あー、この春はちょっと海には行けないんだ」


「えっ?うそ。アンタも塾通い?」


「いや、そうじゃねぇんだけど」


「じゃあ、なんなのよ。優月ちゃんとデート三昧とか言わないでよ」


「私はバイトだから……」


「だったら、一体なんなのよっ」


詰め寄る静華ちゃん。


蒼甫君が私の顔を見て、困った顔をしている。


そして、小さなため息をついた。


「あのさ。みんなには言ってなかったんだけど」


みんながきょとんとして、蒼甫君を見つめる。


「俺、春から放送されるドラマに出ることになった」


「はっ?」


「俺、優月がバイトしてる事務所の俳優になったんだ」