「お前、それだけの容姿を持ってるくせに、竹内優月のこととなると、途端に自信がなくなるんだな」


チッ。


痛いところを突いてくれるじゃん。


「だって、しょーがねぇじゃん。すっげー好きなんだから」


そう言うと洋平が、呆れた顔をして見せた。


「まぁな。可愛いもんな」


「おい、洋平。何言ってやがる」


「おいおい。俺にまで敵対心むき出しにすんなよ?
思ったことを言っただけなんだから」


ふぅ、まったく油断ならない。


そうだ!


こんなことしてらんねー。


俺がいない間、誰が優月のそばに近づいてるか、わからねーからな。


「あー、アホらしくなってきた!!!」


「おっ?急に元気になったな」


「悩むなんて、俺らしくねーんだよっ」


「ははっ。いいぞ、いいぞー」


常に前向きなのが、俺のいいところだからな。


もう、うじうじするのはやめよう。


優月と同じクラスでいられるのも、あと僅かなんだしな。


時間がもったいない。