私は保健室を出て、教室へと走った。


もう4時間目の授業は始まっているようだ。


4組の教室の前に着くと、私は静かにドアを開けた。


先生とみんなの視線を感じつつ、私は自分の席に着いた。


ふと蒼甫君の席を見ると、蒼甫君の姿はなかった。


カバンは置いてあるけれど…。


蒼甫君、教室に戻らなかったんだ。


どこに行っちゃったんだろう?




昼休憩になると、私はお弁当も食べずに屋上へと向かった。


多分、あそこにいるはず…。


でも、もしいなかったら、一体どこにいるんだろう…。


息を切らし、階段を駆け上がる。


重く冷たい扉を開ければ。


「あ…」


いつものベンチに、蒼甫君が座っていた。