「優月。

もうしかたないんだよ。

優月が俺か蒼甫のどちらかを選んだ時点で、こうなるのはわかってたんだ」


うそ…。


そんな…。


じゃあ私がいけなかったの?


瀬名君がいなくなって、寂しくて。


その時に差し伸べられた手を、私はとってしまった。


確かにあの時は、ふたりのこと同じくらい好きだった…。


でも。


でも今は…。


「せ…な君。

ごめっ、ごめん…ね」


「優月、泣くなよ。

いいんだ。

俺、大丈夫だから…」


もう戻れないんだね。


あのキラキラ輝いていた日々には…。


私がひとりの手をとった時点で。


もう、終わってしまったんだね…。


こうなることがわかっていたら。


もし、あの日に戻れるなら。


「蒼甫のところへ行ってやれよ。

アイツ、優月がいないと大変だぞ」


ううん。


それでも私は…。