それから、数日経って。


この日、蒼甫君はどうしても早朝から撮らないといけないロケがあるようで、三時間目になっても学校に来ていなかった。


蒼甫君がいないと、やっぱりさみしいな…。


今日私は日直で、先生に頼まれて集めたプリントを職員室に届けた帰りだった。


扉を開け、2年生の校舎へと続く渡り廊下を歩く。


今日は空が雲に覆われて薄暗い。


雨でも降るのかな?


渡り廊下がもう少しで終わりというところで、ドアの向こうに人影が見えた。


ん?あれって…。


瀬名君?


女の子と話してる。


誰だろう?あの子。一年生?


あれ?女の子泣きながら行っちゃった。


瀬名君が顔を上げた瞬間、ドア越しに目が合ってしまった。