校舎を出ると、すぐに蒼甫君が私と手を繋ぐ。


もう当たり前になっている習慣だ。


外が寒いから、蒼甫君のあたたかい手はすごく好き。


おしゃべりしながら、校門を出た時だった。


道路向こうに、シルバーの髪をした背の高い一際オシャレな男性が立っているのが見えた。


その姿がやたら目立つので、通り過ぎる女の子達がみんな見ている。


「優月、あれ洋平だよな?」


うっ、ホントに来ちゃったよ…。


私達に気付き、左右を確認して道路を横断する洋平君。


「よう。神崎。竹内優月」


「洋平どした?瀬名に用事?」


校門から出る生徒が、みんな私達を見ている。


「ううん。お前だよ」


「は?俺?」


蒼甫君が目をぱちくりさせた。


「お前、ドラマのオーディションに出ろ」


よ、洋平君っ。


唐突過ぎ~~~!