「別れてるんだったらさ。

もう事務所、辞めればいいんじゃねぇの?」


洋平君の言葉に、私は口をつぐんだ。


「あ、そうか。何か事情があるんだっけ?」


「うん……」


真実かどうかもわからない、まるで呪いのような……。


「それがある限り、アイツは辞められないんだな」


私は目を伏せて、コクリと頷いた。


「じゃあ話したところで、ちょっと難しいよな」


洋平君が身体を仰け反らせる。


瀬名君を救いたいのに。


私には何も為す術がない。


悔しい。


何も出来ない自分が。