「もう、センセー行ったみたいだよ」


斉藤君の声で、バサバサとみんなが布団から出る音が聞こえてきた。


私も布団から出て、その場から離れた。


豆電球がつけられると、みんなの姿が見えた。


「はービックリした」


「なんとかバレずにすんだねー」


私はすぐに蒼甫君の近くへ寄って、腕にしがみついた。


「優月?どうした?」


「び、びっくりしたの。怖かった…」


頭を撫でてくれる蒼甫君。


「センセーが突然来たらこえーよな。もう大丈夫だよ」


私が怖かったのは先生じゃない。


瀬名君だ…。


私は瀬名君の方を見ることが出来なかった。


「静華。心臓に悪いから、そろそろ部屋に戻れよ」


「うん。そうするわ」


渋谷君に促され、私達はそれぞれの彼氏におやすみと言って部屋を出た。


無事自分達の部屋に戻り、自分の布団に入ると、さっきの瀬名君の感触が蘇ってきた。


どうしてキスなんてしたの…?


薫さんがいるのに…。


私ったら、蒼甫君かと思ってしがみついちゃったし。


すごく恥ずかしい。


ねぇ、どうしてなの?


瀬名君…。