「そう言えばさ、俺ら2年は今月修学旅行じゃん」


渋谷君の声にみんなの顔がぱっと変わる。


「そうだったね。今月、修学旅行だったね~」


さっちゃんも今思い出したようだ。


「確か、スキー実習なんだよなー」


スキーかぁ。


私はスキーなんてやったことないんだけどな。


楽しみなような、楽しみじゃないような…。


「甲斐や神崎は、サーフィンでバランス感覚が鍛えられてるから、どうせスキーもうまいんだろうなー」


私もそう思うよ、斉藤君。


いつも、あんな不安定な波の上に乗ってるんだもの。


「まぁ悪いけど、余裕だわ」


だよねー。


いいなあ。


私、大丈夫かなあ…。


私の不安をよそに、気がつけばあっと言う間に修学旅行当日を迎えてしまうのだった。