「……うそでしょ?」


中に入ると、とてつもない広さの芝生が広がっていて、綺麗に手入れされている庭は、まるでどこかのホテルの中庭のようだった。


「優月ちゃん、さっちゃん、斉藤君。待ってたよ」


真っ白いドアの中から、静華ちゃんが出て来た。


綺麗なドレープのスカートを履いた静華ちゃんは、この家の雰囲気にとても合っていて、やっぱりお金持ちのお嬢さんなんだなと思った。


「もう渋谷と蒼甫は来てるよ。三人とも入って」


「静華ちゃん。これお土産」


三人で買ったケーキを静華ちゃんに渡して、私達は緊張しながら家の中に入った。


「うわぁ…」


思わず、声が漏れてしまう。


玄関は広いし、天井は高いし。


何なの?この開放感。


「さ、あがってあがって」


大理石の玄関に靴を脱ぎ、用意されているフカフカのスリッパに履き替える。


「こっちよ」


そう言って、案内されたのはリビングで。


「……っ」


ひ、広い…。


私の家の部屋を全部足したって、この広さにはならないんじゃないかなと思う。


一体何人家族やねんってツッコミたくなるほどの大きなソファー。


大きな窓に、奥には暖炉。


このテレビ、一体何インチあるの?


家具だって、絶対コレ高いでしょ?


何もかもがすごい。


「なんか三人ともおとなしいね。座ってていいのよ」


そんなこと言われたって、緊張するでしょ?普通。