その次の日、私は自分の部屋のベッドの上で、昨日蒼甫君と瀬名君と屋上で話した内容を思い返していた。


雑誌の専属モデルになった瀬名君。


蒼甫君だって漠然とやりたい事が見えているのに、私は将来の事が何も見えていない。


さっちゃんは薬剤師になりたいって言ってたから大学に進学するだろうし、斉藤君は法学部希望と言っていた気がする。


静華ちゃんと渋谷君も頭がいいし、きっと大学へ行くよね。


私はそもそも大学へ進学出来るんだろうか…。


お父さんに聞いてみようかな。


今日は仕事がお休みで家に居るし。


私は一階へ下りて、リビングへと向かった。


お父さんはソファーに座ってテレビを見ていた。


「お父さん、ちょっといい?」


「ん?どうした?」


「あのね、進路の事で相談があるんだけど」


「……あぁ、お父さんも一度優月と話そうと思ってたんだよ」


私はお父さんの斜め前のソファーに座った。


「お父さん。私、大学に進学していいのかな…?」


お父さんはテレビのスイッチを消すと、私の顔を見た。


「そうだね。自宅から通えて公立だったら、なんとかなるかもしれないよ」


「行っていいの?」


「もちろん」


そうなんだ。


私、大学を目指してもいいんだ。


「で、優月は大学で何が勉強したいの?」


「えっ?」


そ、それは…。


「ごめんなさい。まだ考えてない」


お父さんは、趣味のカメラを手に持った。