「よく高校生なんか雇ってもらえたな」


「知り合いの紹介だったんです」


「ふぅん…。
で、なんでバイトなんてしてるんだ?
青雲に通ってるくせに。
あそこって進学校だろ?
勉強だって大変だろうに」


うっ、そう来る?


それ、説明しないといけないのかな…。


「私の家、経済的に私立に行く余裕がないの。だから、学費を稼いでるの」


「えっ?」


ヨウヘイさんの顔色が変わる。


そんなにビックリすることなのかな…。


女の人みたいな綺麗な指で口元を押さえて、何か考えているみたいだ。


「おーい、ヨウヘイ君ー。
そろそろヨウヘイ君の番だよー」


スタジオからスタッフさんが出て来て、ヨウヘイさんに声をかけた。


「俺、もう行くわ」


「はい。じゃあこれで」


私は頭を下げて、歩き始めた。


「ちょっと待って」


ヨウヘイさんが呼び止める。


「また会える?」


え…?


それってどういう…。


「どうでしょうか…」


もう会う機会はないと思うけど…。


「また会えるよ、絶対」


そう言ってヨウヘイさんは妖艶に笑い、スタジオに入って行った。


ヨウヘイさんのあの目…。


私は苦手だ…。