「優月ちゃん。お願い!もう1回蒼甫に頼んで」


必死に両手を合わせるイチャさん。


「えー、もう無理ですよぅ」


「そこをなんとか!お願いっ」


なんでも、前回引き受けた松波駿さんのメンズブランドSHUN WAVEが出足好調で、売り上げがグングン伸びているのだとか。


それで、彼ら三人のショットがもう少し欲しいとの依頼だった。


「あの子達が着ていた服への問い合わせがすごかったみたいなの。

アイテムだけ載せるよりも、着画の方が売れるってことなのかしらね。

いい仕事なのにー。

お願い、優月ちゃん。

もう1回説得してー」


「で、でもー」


蒼甫君はもう2度とやりたくないって言ってたし、ヨウヘイさんに会うの、きっとイヤだよね…?


「お願い。聞くだけでいいの。蒼甫に聞いてみて」


そう言って、イチャさんが机に頭を伏せる。


「じゃあ…、一応ダメ元で聞いてみます…」


「ありがと~、優月ちゃん」


うーん。


きっとダメだと思うけど…。