入口のドアに、ヨウヘイさんがものすごい形相で立っている。


固まる私達。


ヨウヘイさんは、ゆっくり私達に近づいてくる。


そして、私の目の前でピタリと足を止めた。


「おい」


私はゴクッと息を飲んだ。


「付き人」


腰をかがめ、私の顔を覗き込む彼。


吸い込まれそうなその瞳に、私は背筋に悪寒が走った。


「お前、高校生だろ」


こ、怖い。


本気で怖い。


身動きがとれない。


「付き人ってウソだろ」


そう言って、スッと身体を起こすヨウヘイさん。


瀬名君よりもさらに背の高い彼が、私を真上から見下ろしている。


「おおよそ、神崎の彼女かなんかなんだろ」


「ヨウヘイ、やめろよ」


瀬名君が私の前に立った。


「裕樹もコイツの事、知ってたんだな。なんで黙ってた?」


「…すまない」