「おい、ヨウヘイ。まだここに残ってたのか?誰と話して…。

うっ!!!」


4組のドアから聞き慣れた声がした。


せ、瀬名くーん。


ピンチだよー。


ヨウヘイさんと鉢合わせちゃったよー。


「付き人さんに会ったから、話してた」


「あっ?あぁー。おぉーそうだったんだ。

ってか、ゆづき…びとさん。

その格好どうしたんだ…ですか?」


瀬名君、日本語変だよ…。


「なんか、神崎に無理矢理着せられたらしいよ。アイツ、付き人さんに何してんだろうね」


ホントは何もされてないんだけど…。


「おーい。瀬名、何やって…。
……っ!!!」


瀬名君の背後から顔を出す蒼甫君。


蒼甫君、助けてー。


「神崎、付き人さんにこんな格好させちゃダメだろ?」


「はっ?」


ごめん。蒼甫君!許してー。


「あ?あぁー。ば、罰ゲームだよ。罰ゲーム」


そう言って蒼甫君が私をギッと睨んでいる。


「は、恥ずかしいし、もう着替えるねー」


私は二人の間をスルリと抜けて、教室の中に入った。


はー。


危なかったー。


高校生ってバレたかと思ったー。


私はメイク室に入り、制服に着替えた。