「あっそうか。文化祭に遊びに来てるんでしょ?今日はお仕事お休みですか?」


えっ?あっ、そう来る?


「そ、そうなんですー」


やった。


うまく勘違いしてくれてる。


よしっ、なんとかごまかせそうかも?


「でも、その衣装どうしたんです?神崎と同じ格好じゃないですか」


いーっ。


「あ、え~っと。ちょっと神崎君が面白がって私に着せたんですー。
困ったもんですよねー」


「そうなんですか。彼、イジワルなんですね」


ヨウヘイさん、私より年上なのに敬語を使ってる。


私のこと、19歳だと思ってるんだもんね。


「それにしても…」


ヨウヘイさんの切れ長な目が、私の顔をじっと覗き込む。


すごい目力。


なんかビームとか出てそう。


「メイクしてないと、すごく童顔なんですね」


はっ!そうだ。


私、今日ノーメイクだったんだっ。