わっ。誰かとぶつかっちゃった。


「ご、ごめんなさい」


ビックリして顔を見上げる。


その瞬間、私の視界がシルバーに揺れた。


ま、まさか。


そんな…。


「ん?あれ?」


心臓がドクドクする。


絶対目を合わせちゃいけない。


「えー…?キミどっかで会ったよね?絶対どっかで会った」


どどどどーしよう。


そ、そんなに見ないでー。


「ひ、人違いじゃないですかねー」


不自然な高めの声を出してみる。


「ん?」


「えっ?」


「あーーーっ!」


きゃーーーーっ。


バ、バレた?


「……。

付き人さん。

こんなところで何やってるんですか?」


ひゃーーーっ。


絶体絶命だぁ!