「あたし、よく女の子達に言うんだけどね。

彼に嫌われたくないからって理由で応じるのは絶対ダメよ。

断ったくらいで嫌われるとしたら、その男の目的はそれだけ」


あぁ…、なんだか頭が痛くなってくる。


「高校生の優月ちゃんにこんなことを言うのは酷だけど、大切な事よ。

高校生は子供じゃないけど、まだ大人じゃない。

責任はとれないのよ。

異性との刺激も強くなる時期だから、大変だとは思うけど、最後に自分を守れるのは自分だけよ。

後悔しないように、慎重にね」


「はい…」




イチャさんの言葉は耳に痛かったけど、こんなことを言ってくれる大人はいないから、聞けて良かったって思った。


蒼甫君は私の気持ちを優先すると言ってくれた。


そういう状況を作らないようにする事も、彼女としての配慮なのかもしれない。




でも、イチャさんは最後にこう言っていた。


もし自分が17歳に戻れるなら、カッコイイ男の子と後先考えずに、燃えあがるような恋をしたいって。


なんか言ってる事が、矛盾しているような…。


恋ってなんだか難しいな。