残りの試験期間、私と蒼甫君は一緒に帰らないようにした。


ちゃんと試験に集中して、最終日は一緒に帰ろうと約束した。


蒼甫君ってそういうところがすごく律儀だなと思う。


「優月ちゃんと蒼甫君、ケンカしたの?」


休憩時間に、さっちゃんがふいにそんな事を言い出した。


「ううん。そうじゃないの。なんかね、試験中に一緒にいると、勉強に集中出来ないでしょ?

それで…」


「わかる~。一緒にいると、勉強どころじゃなくなるよね」


さっちゃん達もそんなことがあるんだね。


そう言えば、斉藤くんとさっちゃんは、付き合い始めてもう一年になるんだもんね。


「ねぇ、さっちゃん。さっちゃんと斉藤くんって、どこまで進んでるの?」


突然私にこんなことを聞かれて、さっちゃんの顔がみるみる真っ赤になっていく。


「ゆ、優月ちゃん、どうしたの?まさか優月ちゃん達…?」


「ううん。まだだよ。

でもこの前少しだけ、そうなりそうな気配があって…。

さっちゃん達付き合って長いし、どうなのかなって」


「う…ん。優月ちゃんにだけ話すけど、私達、まだそういう関係じゃないの」


それを聞いて、なぜかホッとしてしまう私。


「でもね、なかなか大変だよ…」


「大変…?」