「だから俺、女子って実はちょっと苦手なんだ。静華は幼なじみだから大丈夫だけど…。

カラオケで、さっちゃんと優月に初めて会った時、どんだけ癒されたかわかんねーよ。

こんなに優しくて、普通に接してくれるいい子達がいたんだなって、すげー嬉しかった。

この二人は、俺の嫌がることは絶対しないだろうなって思ったんだ。

だから、友達になった」


「そう…だったんだね」


「うん…。だから俺、別に経験豊富でもないし、女の子慣れしてるわけでもないんだ。

優月と何も変わらないよ」


俺がそう言うと、優月は何か考えるような顔をした。


「とりあえずああいう状況は、俺には危険だってわかったし。

これからは気をつけるよ。

絶対、無理強いしたりなんかしない。

優月の気持ちを大事にするから」


優月が急に立ち上がる。


そして、俺の前にスッと立った。


「ありがとう、蒼甫君」


優月は可愛い笑顔でにっこり笑った。