「蒼甫君!


もうすぐ弟が帰って来るっ」



優月の言葉に、ピタリと動きが止まる俺。



「弟、試験発表中だから、早く帰ってくるの」



瞳を少し潤ませた優月が、必死に俺に訴えかける。



ま…じかよ。



じゃあ、俺がここにいるのマズイんじゃ…?



俺は血の気が引いていくのを感じた。