優しいな、渋谷君は。


でもこれ以上甘えるわけにはいかない。


「彼氏のフリだなんて、ダメだよ。渋谷君にそこまで迷惑かけられない。

大丈夫だよ。

私が我慢すればいいだけのことだから」


「竹内…」


「だからこれまで通り、普通にする。

でもこれからは、他の女の子達とも遊びに行ったり、話すようにしてみたら?って二人に言ってみるから」


「竹内はそれでいいの?」


「自分がつらいからっていきなり二人を避けたり、渋谷君に彼氏のフリしてもらうわけにはいかないもの。

大丈夫。

だって、二人とは本当に友達だし。

いつか女の子達もわかってくれるはずだよ」


そう言って私は、ぎゅっと自分の手を握った。


その時だった。