「じゃあ、わざと下手な演技したの?」


「うん」


「うそー!」


「俺が本気でやるわけないじゃん。

でもオーディション受けるって約束はきちんと果たしたんだから、文句はないだろ?」


じゃあ蒼甫君は、最初からそのつもりで…?


「俺は芸能界なんか、全く興味ない」


「蒼甫君…」


「優月、中間試験が終わったらさ、一緒におじきの家に行こうな」


「……うん」


なんかホッとしちゃったよ。


良かった。


蒼甫君はいつも私を安心させてくれるね。


ありがとう、蒼甫君。