10月の最初の日曜日がやってきた。


やっぱりこの日だけは、私は付いて行っちゃダメらしくて。


事務所でイチャさんと待つことにした。


「はぁー。なんだか落ち着かないわね」


イチャさんは、朝からソワソワしっぱなしだ。


イチャさんは合格して欲しい。


私は不合格であって欲しい。


同じようにドキドキしていても、その思いが違う。


「優月ちゃん。

アナタ、まさか落ちて欲しいなんて、思ってないでしょうねぇ?」


うっ。


バレてます?


えぇ。


落ちて欲しいと思ってますとも。