「彼ね、コズミックっていう会社に所属してるわね」


コズミック?


「肩書きはモデルよ。

これがウェブサイト。ほら、見てごらんなさい」


イチャさんに言われて見てみると、沢山の男性モデルの中に、瀬名君の顔があった。


「YUHKIって書いてある…」


他にはスリーサイズやら、身長が書かれてる。


「瀬名の名字は公表してないみたいね」


「瀬名、すげぇな。

めちゃくちゃカッコイイじゃん。

げっ。アイツ、身長182もあったんだ」


「蒼甫は、何センチあるの?」


イチャさんいつの間にか、蒼甫君のこと呼び捨てにしてるっ。


「俺はギリ80だけど…」


「充分よ」


二人とも背が高いもんね。


「この事務所、2年前に設立されたばかりの新しい会社よ。うちより少し前に出来たのね。

代表は女性で、鈴木沙耶って人」


社長は、女性なんだ…。


「新しい会社だから、あんまり情報がないのよ。

大きな実績も、まだそんなにないみたい。

でも瀬名君のその彼女さん?

おそらくこの事務所のスタッフか何かなんでしょう?

この事務所のために、彼、人肌脱いであげてるんじゃないの?」


瀬名君は、薫さんのために…。