アップの撮影も、写真の確認もあっと言う間に終わってしまった。


「素材がいいからスムーズなのよね。

どの写真を送ろうかしら?迷うわね」


この写真が送られるのか…。


なんだか複雑。


私達が写真を見ていると、制服に着替えた蒼甫君が出てきた。


「神崎君、お疲れ様」


「お疲れ様です。イチャさん、俺と優月はもう帰っていいんですか?」


「ええ。今日はいいわよ。ありがとね」


「じゃあ、失礼します」


私も頭を下げて、二人でスタジオを出た。


外に出ると、少し薄暗くなっていた。


私達はどちらからともなく、手を繋いで歩いた。