「最近バイトを始めたって言ってたんです。

でも、何のバイトかは教えてくれなくて。

ただ、彼女の仕事を手伝うとだけ聞いてて…」


「それでこれを発見して、ビックリしたってわけね」


私達はコクンと頷いた。


「まぁ考えられるのは、彼はどこかのモデル事務所か何かに所属してるんでしょうね。

その子の彼女さん?

多分、どこかの事務所でマネージャーとか、その類の仕事してるんでしょう」


やっぱり事務所なの…?


「確かにあたしなら、調べるのは簡単よ。でも条件があるわ」


うっ。


やっぱり?


「蒼甫君。近々、戦隊ヒーローもののオーディションがあるの。
それを受けてくれたら、調べてあげてもいいわ」


戦隊モノと言えばイケメンばかり集めていて、俳優の登竜門みたいになってるやつだよね?


蒼甫君がそんなの受けたら、下手したら受かっちゃうじゃない!


「どうかしら?」


蒼甫君、そんなの受けなくていいよっ。


いざとなったら、自分達で何とかしたらいい。


難しいのはわかってるけど。


瀬名君のお母さんやお姉さんが何か知ってるかもしれないし。


「そのオーディションっていつ?」


「来月の最初の日曜日よ」


「わかった。受けるだけ受けるから、その代わり!

それまでに瀬名の事、調べておいてくださいよっ!!」


えーーーっ!


蒼甫君、引き受けちゃったよーーー!


「わかったわ。調べてすぐに連絡する。

友達は、瀬名君って言うのね?」


「あぁ。瀬名裕樹だ。頼んだよっ」


蒼甫君。


本気なの~?