蒼甫君は私の顎に手をかけると、クイッと上に持ち上げた。


次の瞬間。


蒼甫君の唇が、私の唇に重なった。


ちょっ、蒼甫君っ。


こんなところで、本気?


私が唇を離さないように、私の後頭部をグッと手で支える蒼甫君。


唇が無理矢理こじ開けられる。


侵入してきたそれは、私を求めてさまよう。


到着すると、激しく絡み合って来た。


もうだめだ。


こうなってくると、身体に力なんて入らない。


私は蒼甫君の動きに合わせて、自分もゆっくり動かした。


しばらくそれが続いた後、蒼甫君の唇が私からゆっくりと離れた。


それと同時に 少し伸びた蒼甫君の前髪が、私の頬にかかる。


そして、また抱きしめられた。


「ふぅ。とりあえず充電完了かな?」


そ、蒼甫君てば…。


私は顔が真っ赤になるのを感じた。


「次の授業始まっちゃうから行こうか」


にっこり笑ってそう言うと、蒼甫君は準備室のドアを開けた。