「ちょっと、蒼甫。朝からうるさいわよ」


「なんだよ、静華。別にいいじゃん」


「おはよう。蒼甫君。なんかすごく元気だね」


「さっちゃん、おはよう!

そりゃもう俺はめっちゃ元気だよ!!

だって彼女が出来たから」


……っ!


そ、蒼甫君。


声が大きいんだけどっ。


「はぁ?アンタ何言ってんの?

誰が彼女ですって?」


静華ちゃんが蒼甫君に詰め寄る。


「だーかーらー。優月だよ。

他に誰がいるっての?」


!!!


「えーーーーっ?」


渋谷君と斉藤君と静華ちゃんが、同時に声を上げた。


「ねー?優月っ」


そう言って蒼甫君は、私の肩を引き寄せる。


「はは…」


私は苦笑いするしかなかった。


瀬名君はと言うと、驚きもせずに床の方を見ている。


そんな瀬名君のことはおかまいなしに、蒼甫君は私の肩から手を離さない。


「いつの間にアンタ達、付き合うことにしたのよ」


そう言って、静華ちゃんが腕組みをする。


「んー。8月15日。

あれ?16日だったかな?

いや、15日だよなあ?」


そ、蒼甫君。


恥ずかしいよう。


「まぁいいわ。

とりあえず良かったじゃない。ねぇ?」


静華ちゃんがそう言うと、瀬名君は私の方を見て、少しだけ笑った。


瀬名君…。