そして迎えた新学期。


私はドキドキしながら、校門をくぐった。


ドキドキと言っても、それは嬉しいばかりでもなくて。


ちょっと複雑な気分だった。


「おはよう。優月ちゃん」


教室に入るとさっちゃんと斉藤君は、すでに来ていた。


「おはよう、二人とも。宿題、無事終わった?」


「うん、なんとかね」


「俺はライティングがちょっと厳しいかもしんない」


しばらくすると、渋谷君と静華ちゃんが教室に入って来た。


「おはよー。
さっちゃんと斉藤君は久しぶりね。
優月ちゃんは何度か会ったわよね」


静華ちゃんは相変わらず美人だ。


今日はポニーテールが良く似合ってる。


「なんか竹内、焼けたね」


うっ、渋谷君。


いきなり?


「もうそれ。会う人みんなに言われるの。そんなに焼けたかな?」


「ちょっとね。でも別に変とかじゃないよ」


あんまりフォローになってないような気が…。


女子としては気になるんですけど。


「あっ、瀬名君。おはよーっ。久しぶりだね~」


さっちゃんの声にビクッとして振り返ると、少し気だるそうな瀬名君の姿があった。