蒼甫君からは、毎日メールが届いた。


朝早くから日没近くまで練習してるせいか、電話はめったにかかって来なかった。


コンテストは月末の日曜日。


他県での開催だから私は見に行けないけど、頑張って欲しい。


そんな夏休みもあと残り5日に迫った日。


私は久しぶりにさっちゃんと会う約束をした。


私達はショッピングセンターの近くの駅で待ち合わせをし、最近出来たばかりのおしゃれなカフェに入った。


「久しぶりだよね。

優月ちゃん、ちょっと焼けたね。

バイト大変だった?」


「うん。結構忙しかった。

平日はわりと大丈夫なんだけどね、土日やお盆休みはすごかったよ」


「蒼甫君と瀬名君は元気なの?」


さっちゃんがニッコリ笑う。


さっちゃんはこの夏、私達に起こった出来事を知らない。


今日は、さっちゃんに全部話さなきゃ…。


「あっ、あのね。さっちゃん。実はね…」