「今日でバイト終わりかぁ…。
今夜はもう優月はいねぇんだよな。
はぁ…。せっかく付き合える事になったのに」


蒼甫君って、時々すごく子供っぽい事を言う。


「おじさんとみゆきさんに、きちんとお礼が言いたいから、また近いうちに来るね」


留守中に自宅に帰るなんて、すごく失礼な気がしてしまう…。


「また一緒に来ような。
あ、そうだ。俺ね、明日から集中して海に入るから、しばらく会えないと思う。
でも、毎日メールも電話もするからさ…」


そっか。蒼甫君、コンテストが近いんだよね。


「次会えるのは、2学期始まってからかな?」


「宿題もあるしな…。多分そうなるかも。
あーあ…。今日はこのまま優月と一緒にいたい」


そう言って蒼甫君が、抱きしめる腕に力を込める。


「たったの半月だよ」


半月待てば、毎日学校で会える。


「バカ。半月も!じゃねぇか。

俺がここまでたどり着くのに、どれだけ待ったと思ってんの?」


「ご、めん…」


「あ、いや。怒ってるわけじゃなくて…。
俺が優月を好き過ぎるんだよ…」


トクンと心臓が優しい音を立てる。


蒼甫君…。


蒼甫君の気持ちが嬉しい…。


「あっ、蒼甫君。そろそろ行く準備しないと。遅刻しちゃう。
私、荷物もまとめないといけないし」


私がそう言うと、蒼甫君はしぶしぶ私を離した。