瀬名君がいなくなって数日経った頃、ついに世間はお盆休みに突入した。


小さい頃おばあちゃんに、お盆は海に入ったらだめだよと言われたものだけど、この頃はあんまり関係ないのかな?


朝からこの賑わいだもの。


関係ないのでしょう。


私も蒼甫君もやっちゃんも女性二人も、朝から夕方まで必死に働いた。


瀬名君がいなくなったのは、やっぱりちょっと厳しかったかもしれない…。




そんなお盆休みが2日過ぎた時だった。


「おい、蒼甫。ちょっと話があるんだけど」


夕食の時、おじさんが蒼甫君に話しかけて来た。


「俺とみゆき、15日と16日に、みゆきの実家に行くつもりなんだ。

お墓参りもあるしな。

蒼甫と優月ちゃんのバイトは16日までだろう?

俺達留守にするけど、食事やら洗濯やら大丈夫か?」


えっ?二人とも出かけちゃうの?


「優月は16日にバイトが終わったら、そのまま自宅に帰るつもりみたいだし。

メシがいるのは、15日の夜と16日の朝だけだろ?

それくらいなら、自分達でなんとでもなるよ」


そうか。


海の家でのバイトも、あと3日間だけなんだ。


なんだか、あっと言う間だな…。


「不便かけてごめんなさいね」


そんなこと全然ないのに。


みゆきさんって、優し過ぎる…。