「ねぇ、裕樹。信じてもらえないと思うけど、私あれからずっと後悔してた。

だから、会えて本当に嬉しかったの」


薫さんは、少し声を震わせながら言った。


「は?今さら何言ってんだよ。ワケわかんねぇ」


瀬名君は本気で怒っているようだ。


「あの時、私が消えたのには理由があるのよ」


薫さんが苦しそうに言葉を紡ぐ。


でもそれ以上に、瀬名君はもっとつらそうだ。


「どんな理由があるって言うんだよ。

俺がどれだけつらかったか、お前にわかんの?

何も言わずに突然消えたんだぞ?

嫌われたのか、それとも何かあったのか、とにかく理由を聞きたかった。

でも、当時中学生だった俺には、薫を探そうにも探せなかったんだ。

すげー傷ついたし、苦しかった。

今さらやり直せるわけないだろう?

もう遅いんだよっ!」


瀬名君が頭を掻きむしる。


瀬名君のつらさが私にも伝わってくる。


胸が痛い…。




その時だった。