「そう言えばさっき、さっちゃんに会った」


「ホント?私今日はまだ会ってないの」


「斉藤ってヤツと仲良くメシ食ってたよ」


「斉藤君と?」


そっかぁ。


彼氏だもんね。


一緒にお昼してたって不思議じゃないよね。


なんか、ちょっとだけ寂しいかも。


でもまぁ、教室で会えるしいいよね。



……なんて思っていた私は甘かったようで。


さっちゃんにベタボレの斉藤君は、休憩時間のたびにいつもさっちゃんに会いに来るようになってしまって。


二人の世界を邪魔するわけにもいかず、私は蒼甫君と瀬名君と三人で行動することが次第に増えていった。


さっちゃんがいないのは寂しかったけれど、私達はだんだんその状態に慣れて来ていた。