「行こう」


そう言うと、瀬名君は私の手を取って歩き始めた。


はぁ…。


怖かった。


でも、瀬名君が来てくれたからもう安心だ。


「蒼甫、どこまで行ったんだろ?

一緒に探しに行こう。

人多いからな。

はぐれないようにして」


そう言うと、瀬名君はぐっと私の手を強く握った。


両サイドに出店のある細い道は、人、人、人で、ちょっと油断すると本当にはぐれてしまいそうだった。


子供連れの家族は、小さい子を肩車したり、抱っこしたりして歩いている。


そうしないと、子供だったら見失ってしまうと思う。


「アイツいねぇな。もう端っこまで来ちゃったよ。

ちょっと待って。電話してみる」


瀬名君は私の手を引いたまま、蒼甫君に電話をかけ始めた。


「出ない。どうしたんだろ?」


蒼甫君は電話に出ないみたい。


どこにいるんだろう…?


その時だった。