「なあ、優月。アイツとよく話すのか?」


「うん。文系クラスで唯一の友達なの」


「へぇ…」


「気さくで話しやすい人だよ。勉強もよく出来るし、教えてもらったりしてる」


「ふぅん」


そう言うと、瀬名君はコップに残った水を口に運んだ。


あ、そうか。


瀬名君、私が食べ終わるのを、横で待ってくれているんだ。


食べるのがちょっと遅い私を、瀬名君はいつもさりげなく待ってくれる。


蒼甫君は「優月、はやくー」なんて冗談っぽく言うことがあるけど、瀬名君に急かされたことは一度もない。