俺達は海岸沿いの道を歩いて、花火会場へと向かった。


カランコロンと優月の下駄が音を立てる。


それがなんとも言えず風情があって、思わず顔が緩んでしまう。


「私、浴衣って生まれて初めて着たわ」


「えっ?マジで?じゃあ、良かったじゃん」


「うん」


優月と瀬名が話している。


俺の前を歩く優月。


細いうなじにかかる後れ毛が、やけに色っぽいんだ。


やべぇ。


今日の優月はマジでやべぇ。