「じゃーん」


みゆきさんがそう言った後に出て来たのは。


浴衣姿の優月だった。


髪がアップにまとめられていて、メイクが綺麗にしてある。


クリーム色の浴衣が、細い優月にすごく似合っていて…。


なんて言うか。


俺は見とれてしまった。


「優月ちゃん、メイク映えするんだな。将来美人になるよ」


おじきが感心している。


わかるよ。


俺も同じ事を思ってるし。


「優月は古風な浴衣が似合うな」


瀬名もビックリしてるみたいだ。


やたら似合ってるもんな。


いつもより、なんか色っぽい。


こんなに変わられると、対応に困るな。


「とりあえず、そろそろ行く?」


こんなことしか言えない。


ホメてやりてぇのに。